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武田塾 御茶ノ水本校

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【加筆修正版】『十六夜日記(いざよいにっき)』|「3分でわかる!」シリーズvol.13

こんにちは。

 

御茶ノ水本校講師の高橋です。

 

今回は、私が以前書いた『十六夜日記』の解説を更に見やすく、そして更に分かりやすく加筆しました!

 

皆さん是非読んでいってください!

 

赤字は試験に出やすいですよ!

 

⑴誰でも分かる『十六夜日記』

 

作者:阿仏尼(あぶつに)

成立時期: 弘安3年(1280年)ごろ(鎌倉時代

ジャンル:日記

 

ー豆知識ー

 

作者は題名をつけていませんでしたが、後に日記の開始が10月16日ということからこの題名が付けられました。

 

⑵登場人物は、どんな人?

 

登場人物①阿仏尼
プロフィール:主人公であり、藤原為家の側室(本妻でない妻のこと)でした。彼女の京都から鎌倉への下京を中心に話が展開されていきます。

 

登場人物②藤原為家
プロフィール:阿仏尼の夫で、藤原定家の息子にあたります。彼の死をきっかけとして物語が始まっていきます。

 

登場人物③藤原為氏
プロフィール:為家の本妻の子で、阿仏尼の実子の為相(ためすけ)と土地相続問題を起こします。

 

登場人物④藤原為相
プロフィール:阿仏尼の実子であり為氏と土地相続問題を起こします。

 

⑶あらすじ

 

作者である阿仏尼は藤原為家の側室でした。

 

しかしその為家が亡くなってしまい、本妻の子・為氏と自身の子・為相との間で土地の相続をめぐって紛争が起こります。

 

京都では紛争が解決しなかったので、阿仏尼は鎌倉幕府へ直談判することにしました。

 

『十六夜日記』は阿仏尼が京都から鎌倉へと下京した際の旅日記です。

 

日記は二部構成となっており、一部は鎌倉への道中が、二部は鎌倉での滞在について記述されています。

 

物語の結論を述べてしまいますと、なんと訴訟が解決する前に作者阿仏尼は亡くなってしまい、日記も終わってしまっているのです!

 

⑷入試関連、その他

 

そもそも、なぜ土地をめぐる紛争が起きたのでしょうか。

 

また、なぜ阿仏尼はわざわざ鎌倉まで行かなければならなかったのでしょうか。

 

じつは、為家は当初「自分の土地は本妻の子・為氏にゆずる」と言っていたのですが、後にそれをくつがえし「阿仏尼の息子・為相にゆずる」との遺言を残して亡くなったのです。

 

当時、父親には「悔い返し」という強い権限が与えられており、一度息子にゆずった土地でも取り返すことができました。

 

「あれ、なら、はじめから阿仏尼の息子のものじゃん」と思いますよね。

 

そうならなかったのは、「悔い返し」は武家の法律にはあるのですが、公家の法律にはなかったからです。

 

「なんで法律が二つあるんだ?」と思われる方が多いと思います。

 

鎌倉時代には鎌倉幕府(武家)と朝廷(公家)による二重支配が行われていました。

 

そのため、税をとるシステムや法律もそれぞれ別でした。

 

当初この紛争は京都の六波羅探題に持ち込まれましたが、公家の法律で裁かれてしまい、阿仏尼側の敗訴となります。

 

そこで阿仏尼は「悔い返し」が認められている武家の法律(貞永式目)で裁判をしてもらうために、わざわざ幕府の本拠地・鎌倉まで直談判に行ったのでした。

 

『十六夜日記』の文学的な特徴は、他の女流日記が作者自身のことを語っているのに対し、京都から鎌倉への紀行に重点を置いて書かれている点です。

 

また、上記のように、鎌倉時代の所領紛争の訴訟についての資料としても貴重です。

 

作中では和歌が頻繁に読まれています。

 

鎌倉時代成立という事はしっかり覚えておきましょう。

 

成立時期の「弘安」というのはいわゆる元寇でおなじみの「弘安の役(こうあんのえき・1281年)」の弘安の事ですね。

 

日本史の問題としても出題されますのであらすじと作者名もぜひ覚えておきましょう!

 

⑸さいごに

『十六夜日記』を簡単にまとめますと、3点重要なポイントがあります。

 

1.作者は阿仏尼

2.成立時期は鎌倉時代

3.土地をめぐる相続が描かれている

 

おわり

~~~~~~~~~~

これまでの「3分でわかる!」シリーズ

【古典作品】vol.1『古事記』
【古典作品】vol.2『大鏡』
【古典作品】vol.3『万葉集』
【古典作品】vol.4『土佐日記』
【古典作品】vol.5『蜻蛉日記』
【古典作品】vol.6『枕草子』
【古典作品】vol.7『竹取物語』
【古典作品】vol.8『住吉物語』
【古典作品】vol.9『和泉式部日記』
【古典作品】vol.10『枕草子』
【古典作品】vol.11『伊勢物語』
【古典作品】vol.12『平家物語』

 

 


 

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