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武田塾 御茶ノ水本校

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【古典作品】『玉勝間』|「3分でわかる!」シリーズvol.16

「玉勝間」をはじめからていねいに

こんにちは。
御茶ノ水本校講師中野です。
今回は「玉勝間」についての解説を書いていきたいと思います。

⑴誰でもでも分かる『玉勝間』
作者:本居宣長
成立時期:18世紀後半・江戸時代
ジャンル:随筆集

⑵登場人物は、どんな人?

随筆集のため特定の主人公はいないが本居宣長とその仲間たちといったところ。日本人で有名どころだと賀茂真淵や神武天皇、日本人以外では孔子がよく登場します。

⑶有名な記述である「師の説になづまざること」を紹介します。
割と長い文章なのでここでは一部抜粋します。

【原文】
おのれ古典を説くに、師の説とたがへること多く、師の説のわろきことあるをば、わきまえ言ふことも多かるを、いとあるまじきことと思ふ人多かんめれど、これすなはちわが師の心にて、常に教えられしは、「のちによき考えの出で来たらんには、必ずしも師の説にたがふとて、なはばかりそ。」となん、教へられし。これはいと貴き教へにて、我が師の、よにすぐれ給へる一つなり。
おほかた、いにしへを考ふること、さらに一人二人の力もて、ことごとく明らめ尽くすべくもあらず。また、よき人の説ならむからに、多くの中には、誤りなどなからむ。必ずわろきこともまじらではえあらず。(以下続く)

【解説】
ざっくり言うと、本居宣長の先生は「先生の言ってることで自分が『これは間違ってるんじゃないか?』と思ったことは遠慮なく突っ込んだ方がいいよ!」と言っていたようです。
これを受けて本居宣長は「たしかに昔の事なんて一人や二人だけで明らかにできるわけないんだから、どんだけ優秀な学者が言ったことにだって誤りはあるはず。先生の考えに執着するのも考えものだ。良い悪いを考えずにひたすら古い考えを守ろうとするのってどうなの?自分の先生の間違いを指摘するのは勇気がいるけど、それをせずに間違ったものをそのままにしておくのは、先生を立ててるだけで学問の事は考えてないよね。」と思ったみたいです。

【個人的な感想】
たしかに、学校でも教科書と先生の言ってることが食い違ってることってありますよね。私はそういうのが気になるので、「教科書にはこう書いてあるけど実際どうなんですか?」とか「前の講義では〇〇って言ってましたけど□□なんですか?」みたいに聞きに行っちゃいます。そうすると講義で先生が伝えたかった意味と私の受け取り方に齟齬が生じていたり、「その説は今は正しいけど試験では未だにこうやって出題されるんだよ」みたいに新発見が増えることもしばしばあります。
もちろん先生が間違っていることもあります。なので自分の知識をより良いものにするためにも指摘するというのは大切なんですね。そのためにはやはり目上の人が気持ちよくミスを訂正できるような言い回しであったり、伝え方や気遣いのスキルが必要だと思います。

⑷『玉勝間』は、本居宣長によるエッセイ(そのまま)

若いころから読書家だった宣長がいろいろなものに触れていくうちに考えたことや気付いたことをまとめたものです。また、学者として歩んできた自身のことなども書いています。中には兼好に対する批判(兼好法師が詞のあげつらひ)なんかもあって面白いです。

⑸古文常識・歴史的背景(前提)・歴史的影響

「玉」は美称(美しいものにつける総称)、「かつま」は籠で、国学者の豊かな見識が盛り込まれた随想。
(マドンナ古文常識217 P268参照)

『玉勝間』を簡単にまとめますと、3点重要なポイントがあります。
1.学問的随筆(エッセイ)
2.本居宣長が著者
3.国学者の豊かな見識

おわり

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これまでの「3分でわかる!」シリーズ

【古典作品】vol.1『古事記』
【古典作品】vol.2『大鏡』
【古典作品】vol.3『万葉集』
【古典作品】vol.4『土佐日記』
【古典作品】vol.5『蜻蛉日記』
【古典作品】vol.6『枕草子』
【古典作品】vol.7『竹取物語』
【古典作品】vol.8『住吉物語』
【古典作品】vol.9『和泉式部日記』
【古典作品】vol.10『枕草子』
【古典作品】vol.11『伊勢物語』
【古典作品】vol.12『平家物語』
【古典作品】vol.13『十六夜日記』
【古典作品】vol.14『風土記』
【古典作品】vol.15『大和物語』

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