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武田塾 御茶ノ水本校

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【古典作品】『日本書紀』|「3分でわかる!」シリーズvol.21

「日本書紀」をはじめからていねいに

こんにちは。
御茶ノ水校講師の松岡です。
今回は『日本書紀」について解説を書きたいと思います。

⑴誰にでもわかる『日本書紀』
作者:舎人親王(とねりしんのう)
成立時期:720年(養老4年)・奈良時代前期
ジャンル:歴史書

「日本書紀」は、律令国家としての意識が高まる中で対外的な威信をかけて編纂されました。そのため、古事記と比較すると歴史書としての性格が強いものとなっています。また、乙巳の変(中大兄皇子が蘇我入鹿を暗殺した事件)の際に、入鹿の父・蝦夷が自害しようと自身の邸宅に放った火が朝廷の歴史書の保管庫にまで回ってしまい、多くの歴史書が失われたので、新たに歴史書を作り直す必要があったことも背景の一つです。『古事記』と同様に、中大兄皇子(天智天皇)の弟・天武天皇が編纂の発起人となっています。
(古事記の項も参照)

-豆知識ー
日本書紀は、 ・日本最初の勅撰(ちょくせん)の歴史書であること。
・編年体(年代順に記述する形式)で編纂してあること。
・神代から持統天皇までの記事を全30巻で編纂してあること。
・万葉仮名以外は純粋な漢文体で書かれていること。

⑵登場人物:
その時代の天皇や法律の制定者、紛争の記録者など多岐にわたります。また、神話からの引用もあるので誰かひとりとは決められません。

有名な日本書紀の史料:
憲法17条 聖徳太子が立案した役人にたいする心得について書かれており天皇中心とした官僚体制の理念と、仏教に対する理念が表されています。
改新の詔(かいしんのみことのり)  律令国家の発展のために、班田収授を行う必要があり、そのための地方行政区画の整備の為に書かれた詔です。

関連する事項
日本書紀の続巻として順番に続日本紀(しょくにほんぎ)、日本後紀(にほんこうき)、続日本後紀(しょくにほんこうき)、日本文徳天皇実録(にほんもんとくてんのうじつろく)、日本三代実録(にほんさんだいじつろく)の全部で6つの歴史書があります。
この六つを総じて六国史(りっこくし)とも呼びます。いずれも漢文体で、配列は編年体で書かれており、6冊全部で神代天皇~光孝天皇までの一貫した古代史になります。
注:入試では、これらの6つがどの年代の物かが問わることがあります。例えば、日本三代実録は醍醐天皇のときに編纂されたので、同じ時期に編纂された古今和歌集と同じであるかどうか、を問われるような問題がでてきます。

⑶最後に
「日本書紀」をまとめますと、3つ重要なポイントがあります。
1.日本書紀は知識問題として問われることがほとんどなので、作者といつの天皇の時
の史書なのかを理解しておくこと。
2・古文で日本書紀の原文が出題されることはないので、内容に関しては日本史選択以外の人は覚える必要はない。
3.六国史を年代順に6つ覚えておくとよいです。

おまけ

『古事記』と『日本書紀』の対応表

特徴
歴史の流れを一つに定めており、物語風で文学性が高い
本文に異説も併記されており、編年体であることから歴史書としての性格が強い
表記
日本語に近い漢文体
純粋な漢文体(であることが多い)

なお、発起人はどちらも天武天皇。

 

古事記 日本書紀
成立年 712年 720年
編纂者 稗田阿礼が語り太安万侶が記録 舎人親王ら
収録時期 神代~推古天皇 神代~持統天皇
目的 天皇中心の国家統一の正統性を示すため(国内向け) 諸外国に国家としての威厳を示すため(国外向け)
特徴 歴史の流れを一つに定めており、物語風で文学性が高い 本文に異説も併記されており、編年体であることから歴史書としての性格が強い
表記 日本語に近い漢文体 純粋な漢文体(であることが多い)

古事記は、「国内向けに天皇の支配の正当性を示す」ことが目的なのですから、国内の多くの人に読んでもらうために「日本語に近く」なりますし、また読みやすいように「歴史の流れを一つに定めて物語のように書かれて」います。
目的を把握しておけば、特徴と表記は類推できます。

日本書紀は、「国外(主に唐)に対し自国の歴史を明らかにすることで威厳を示す」ことが目的なのですから、唐の人が読めるよう「純粋な漢文体」が用いられるでしょうし、歴史の資料とするなら「年月にそって出来事を記し(編年体)、様々な説を載せておく」ことが必要になります。

終わり。
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これまでの「3分でわかる!」シリーズ

【古典作品】vol.1『古事記』
【古典作品】vol.2『大鏡』
【古典作品】vol.3『万葉集』
【古典作品】vol.4『土佐日記』
【古典作品】vol.5『蜻蛉日記』
【古典作品】vol.6『枕草子』
【古典作品】vol.7『竹取物語』
【古典作品】vol.8『住吉物語』
【古典作品】vol.9『和泉式部日記』
【古典作品】vol.10『枕草子』
【古典作品】vol.11『伊勢物語』
【古典作品】vol.12『平家物語』
【古典作品】vol.13『十六夜日記』
【古典作品】vol.14『風土記』
【古典作品】vol.15『大和物語』
【古典作品】vol.16『玉勝間』
【古典作品】vol.17『曽根崎心中』
【古典作品】vol.18『栄華物語』
【古典作品】vol.19『とはずがたり』
【古典作品】vol.20『増鏡』

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