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武田塾 御茶ノ水本校

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【古典作品】『閑吟集』|「3分でわかる!」シリーズvol.34

「閑吟集」をはじめからていねいに

 

こんにちは。
御茶ノ水本校講師Mです。
今回は「閑吟集」についての解説を書いていきたいと思います。

 

1)誰でもでも分かる『閑吟集』

作者:不明(僧侶?)
成立時期:室町時代末期・永正15年(1518年)
ジャンル:歌謡集

 

2)あらすじ

小歌(七五調をもとにした自由な型の短い歌)を中心に311首が収められています。

 

閑吟集ができたころ、室町幕府の力は応仁の乱(1467年!「ひとよむなし(人世虚し)」って覚えて下さい!)によって弱まり、戦国の乱世が始まっていました。もう少しすると織田信長とか出てきますね。下剋上が当たり前になり、秩序は崩れ、いつ死んでもおかしくない。今日あるものも明日あるかは分からない。確かなものなんて何ひとつない。まさに「人世虚し」。そんな時代の人びとの心情を反映して、全体的に刹那的な雰囲気や無常観が漂っています。「どうせ死んじゃうし」ってかんじです。

 

3)一周まわってポジティブに!?

「どうせ死んじゃうし」この言葉だけ聞くと、とてもネガティブな印象を受けますね。「どうせ死ぬのだから、何をしたって意味がない」と全てをあきらめているように聞こえます。しかし、閑吟集の「どうせ死んじゃうし」は、そうではありません。

 

ここで閑吟集の代表的な句をひとつ見てみましょう。

 

『くすむ人は見られぬ 夢の夢の夢の世を うつつ顔して 何せうぞ くすんで
一期は夢よ ただ狂え』

 

これを現代語訳すると、こんなかんじになります。

 

『まじめくさった人なんて、見れたもんじゃない。夢の中の夢のように儚いこの世の中で、
さも自分一人は現実を見ているような顔をしたところで、いったいどうなろうというのか。しょせん人生は夢なのだ。ただ狂って生きればいい。』

 

ここでいう「狂う」とは、「我を忘れて何かに没頭する」ということです。
いつの時代も、人びとは後先のことにおびえて、少しでも賢く立ち回ろうとします。不安定な時代ならば、なおさらそうでしょう。しかし、どうあがこうが、死は避けられない。せいぜい多少早いか遅いかが変わるだけ。いや、もしかすると、良かれと思って行動したことが裏目に出るかもしれません。世の中に確実なことなんて何もないのだから。
そんな儚い人生で、後先のことを考えてどうしようというのか。どうせいつかは死ぬのだ。ならば今この瞬間を、狂ったように、何かに没頭して生きてみろ。

 

閑吟集の根底にはこの精神があります。いつ死ぬか分からない時代で、それでも”今”という瞬間を生きようとした人々の歌が収められているのです。

 

現代は戦国の世でこそありませんが、明日のことは何もわからないというのは、いつの時代も変わらないのです。とすると、閑吟集の『ただ狂え』の精神は、現代を生きる私たちの支えにもなるのかもしれません。

 

4)文学史的意義

 

『閑吟集』には庶民の歌が数多く収められています。戦国乱世の時代にあって、貴族でもなければ武士でもない人達が文化の担い手となるようになったのです。

 

5)さいごに

『閑吟集』を簡単にまとめますと、3点重要なポイントがあります。
1.時は戦国乱世、明日のことは分からない
2.「どうせ死ぬのだから後先考えず今この瞬間に没頭しろ」
3.庶民の歌も多い

 

おわり

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